大阪湾に面した工業地帯の一角にある3棟のアパート。1階にある集会所で朝からお酒を飲んでる人たちが居た。昔、商店が入っていたというこの場所に、毎日のように住人が集まってくるらしい。造船業が盛んだった地域で、職人が多い。ほろ酔いの男性が部屋まで案内してくれた。アパートは3棟全部で150戸。入居しているのはその半分ほど。男性の部屋は、6畳と4畳半の2部屋で家賃は3万5000円とのこと。4畳半1部屋で1万9000円のところもあり、住人の多くは一人暮らしという。別の男性は共同のトイレや風呂、洗濯機に案内してくれた。このアパートが建てられたのは1965年(昭和40年)。造船会社や鉄工所などで働く多くの労働者が移り住んだ。時代とともに造船業は衰退したが、アパートは残った。コスプレの撮影でアパートを使わせてもらったという女性2人組がいた。細菌は昭和の雰囲気を求めてロケ地として借りる人もいる。お昼、集会所で酔ってフラフラな男性をみんなで部屋に連れて行ってあげた。いつものことらしい。午後1時、管理人さんがシャッターを下ろしている。集会所はもう閉めるとのこと。アパートを散策してみた。開いている扉が…。中にはご主人が亡くなってから移り住んだという女性がいた。マンションに居た頃は住人との付き合いはなく、集会所などを通じてここでの人付き合いを楽しんでいる。夕方、誰かが2階へ上がっていった。近所の中華料理屋さんの出前の人だった。出前をした部屋のご夫婦は、36~37年ほど住んでいるという。奥様が病気持ちなこともあり、住み慣れている家がいいとのこと。