住友商事グローバルリサーチ・本間隆行さんの解説。テーマは「商品市況から見る中国経済」。7−9月期のGDP成長率は前年比4.6%増。中国政府が今年の目標とする5%前後を2期連続で下回った。本間さんは「前期比0.9%、4−6月期は0.5%の成長。若干加速しているが目標を達成するには10−12月期に前期比2%の成長が必要とされる。成長をけん引するはずの個人消費は前年比3.2%、固定資産投資は前年比3.4%と伸び悩む。低迷する経済を先月下旬に政府が金融政策財政支援によって下支えする方針を示す」などと述べた。中国政府が示した政策は金融緩和、不動産対策、株式市場対策。本間さんは「金融政策ではツールとして7日物のリバースレポ金利を1.7%から1.5%に下げ幅を拡大。貸出金利の指標となるローンプライムレートを同様に引き下げている。不動産対策では効果を見極めながら政策修正や処理を進めていくことになりそう。人民銀行から直接オペによって流動性を受けられるのが銀行だったが対象となる金融機関が広がっている。12日に行われた財政省の会見で財政赤字の拡大の余地はあると表明。消費者マインドや投資家マインドの改善を通じて内需が底上げされる期待が強まる」などと述べた。
中国政府の政策に対して商品市況の反応について本間さんは「強く反応したのは非鉄金属。中でも銅が大きく上昇。金属の多くは中国が世界の半分ほどを消費。8月前半は8800ドルだったが8月末にFRBの利下げ方針を受けて景気後退懸念が薄れて銅価格は9000ドルを回復。9月に入ると1万ドルを超えた。中国経済に対する楽観的な見通しが支配的になったことで銅への買い安心感が広がった。この上昇に持続性がありトレンド維持するかがテーマとなる。銅の上昇が続くと実態経済が好調という裏付けにもなる。金属以外の他の商品の上昇に波及することも考えられる。現物需給がひっ迫する状態になると倉庫から地金が引き出されていくことになる。供給が不安定で今の状況は需要が弱いことを示している」などと述べた。中国の景気回復期待が高まっているとすると石油も強含むことがあっても良いのでは。本間さんは「今回は特段材料視されていない。中東情勢が原油相場のドライバーになっている。原油はEVなどの普及による需給への影響が重要となる。景気動向との関係では強い関係があった中国のような新興国経済と原油需給との関係に注目する必要がある。産油国が減産を続けて需給がゆるく価格が上がりにくい状況。WTI原油は先週、70ドルを割り込んだ。石油製品は過剰気味、中国の原油輸入は抑制気味。地政学リスクを意識した相場から需給が注目される相場になっていく」などと述べた。
今後の商品市況を見るうえでの注目点は。本間さんは「中国についてGDP以外の他の経済指標を見る。生産統計や貿易、物価、海外直接投資や新規融資状況などを確認する必要がある。財政政策を打つとするとどの程度の金額が出てくるかにも注目。政策が地方政府支援になることで不良債権処理に使われる可能性がある。実際の景気対策に繋がっていかない可能性がある。金融緩和が需要への働きかけではなく金融機関の不良債権処理を促進させるものなら新規融資に繋がらない。中長期的には脱炭素化の進展度合い、地政学リスク、イノベーションの進展などGDP成長率以外の要因が期待という形で反映される。市場の思惑にも注意して観察する必要がある」などと述べた。
中国政府の政策に対して商品市況の反応について本間さんは「強く反応したのは非鉄金属。中でも銅が大きく上昇。金属の多くは中国が世界の半分ほどを消費。8月前半は8800ドルだったが8月末にFRBの利下げ方針を受けて景気後退懸念が薄れて銅価格は9000ドルを回復。9月に入ると1万ドルを超えた。中国経済に対する楽観的な見通しが支配的になったことで銅への買い安心感が広がった。この上昇に持続性がありトレンド維持するかがテーマとなる。銅の上昇が続くと実態経済が好調という裏付けにもなる。金属以外の他の商品の上昇に波及することも考えられる。現物需給がひっ迫する状態になると倉庫から地金が引き出されていくことになる。供給が不安定で今の状況は需要が弱いことを示している」などと述べた。中国の景気回復期待が高まっているとすると石油も強含むことがあっても良いのでは。本間さんは「今回は特段材料視されていない。中東情勢が原油相場のドライバーになっている。原油はEVなどの普及による需給への影響が重要となる。景気動向との関係では強い関係があった中国のような新興国経済と原油需給との関係に注目する必要がある。産油国が減産を続けて需給がゆるく価格が上がりにくい状況。WTI原油は先週、70ドルを割り込んだ。石油製品は過剰気味、中国の原油輸入は抑制気味。地政学リスクを意識した相場から需給が注目される相場になっていく」などと述べた。
今後の商品市況を見るうえでの注目点は。本間さんは「中国についてGDP以外の他の経済指標を見る。生産統計や貿易、物価、海外直接投資や新規融資状況などを確認する必要がある。財政政策を打つとするとどの程度の金額が出てくるかにも注目。政策が地方政府支援になることで不良債権処理に使われる可能性がある。実際の景気対策に繋がっていかない可能性がある。金融緩和が需要への働きかけではなく金融機関の不良債権処理を促進させるものなら新規融資に繋がらない。中長期的には脱炭素化の進展度合い、地政学リスク、イノベーションの進展などGDP成長率以外の要因が期待という形で反映される。市場の思惑にも注意して観察する必要がある」などと述べた。