目黒区にある町工場「佐藤製作所」。こちらでは2016年から継続して賃上げを実現できているという。そしてそのきっかけについて佐藤常務は「効果が大きかったのは女性の採用」と話す。長期間赤字経営が続いていたという佐藤製作所。このまま何も変えなければ会社が潰れてしまうと考えた佐藤常務は会社を刷新することを決意。ベテラン男性ばかりの製作所に新卒の社員や女性のスタッフを採用しようと考えたという。しかし当初は佐藤常務の考えに賛同してくれる人は誰もいなかったという。その後佐藤常務は職人たちの説得に奔走。佐藤常務の熱意もあり、2016年、初めての女性社員が入社したのを皮切りに現在では4人の女性若手社員が工場で勤務している。そしてこの女性社員のアイデアが佐藤製作所の経営を上向かせるきっかけとなったという。佐藤製作所に2019年に入社した24歳の女性職員、佐々木さんと今年入社したばかりの20歳・森下さん。二人は職人業もこなしながらSNSなどで商品をPR。これまでにない宣伝手法を取り入れたという。法人だけでなく個人客からの受注が増えるなど販路の拡大につながった。例えば銭湯からストーブの上に置くヤカンでより多くの蒸気を発生できないかと相談され、特注で制作したヤカン。佐藤製作所ではお客のニーズに合わせた様々な商品を作ることが可能だ。新卒の社員や女性スタッフの採用が転機になった佐藤製作所。顧客数や売り上げが増え長期の赤字経営から黒字に転換。従業員の賃金を継続して上げることができるようになったという。また佐藤製作所では販路の拡大だけでなく、中小企業では難しいと言われる価格転嫁にも成功した。そしてそこにも若手女性社員の活躍があった。
住所: 東京都目黒区鷹番3-20-7