信州大学の研究室が注目してるのは、カイコの成虫。カイコガと組み合わせたのがドローン。ドローンは誰も操縦していないのに、自ら進んでゴールへと近づいていった。ゴールからは、カイコガのメスのフェロモンがでていて、ドローンはその匂いを辿ってゴールに向かっていた。ものを探すドローンはカメラ機能を使うことが多いが、暗い場所や見通しの悪い場所を苦手としている。そのため匂いで探す技術が期待されるが、これまでのセンサーは感度や反応速度が実用的ではなく、性能を上げるとセンサーが大きくなってしまうという課題があった。そこで着目したのが昆虫の中でも特に優れた嗅覚を持つカイコガの雄の触角。ドローンでは本物の触覚が匂いを感知するセンサーとして活躍。人間の嗅覚は、空気中から様々な匂いを感知。一方カイコガの雄の触角にはメスのフェロモンの匂いだけを感知する仕組みがあり、感知すると即座に電気反応が生じることがわかっている。切り取られたあとも約5時間継続。本物の触角をドローンの回路に直接くっつけて、その電気信号をもとにドローンが進むべき方向を計算している。触角のパワーをさらに行かすために、次に着目したのが昆虫たちの動き。時々止まりながら探すという行動からヒントを得て、意図的に空中停止させその場で回転する仕組みを導入。さらに羽ばたきの研究をイントに、センサーを河口覆いの形を改良。触角部分に気流が集まりやすい形にした。軽量で手のひらサイズでありながら、最大5mの範囲を探索可能になった。昆虫の触角をニオイセンサーとして使うアイデアは、様々な応用が可能だという。