総務省消防庁によると、救急隊が患者の搬送先を決める際、通院している医療機関を参考にするが、意識がない時などは搬送に時間がかかることもあるという。このため健康保険証と一体化したマイナンバーカードを救急隊が現場で読み取り、必要な情報を入手して搬送につなげる実証実験を今年5月に始めることになった。通院歴がある医療機関や処方された薬などを閲覧でき、正確な情報を搬送に役立てられるとしている。情報の読み取りには原則として患者本人の同意が必要だが、意識を失っている場合は家族などから了承が得られれば現場の救急隊長の判断で閲覧可能に。35都道府県67消防本部で順次検証し、令和7年度までに全国での導入を目指すことにしている。松本総務相は「全国規模の実証実験で数多くの知見を得てより良い仕組みの構築に生かしていきたい」と話している。