九州場所、前頭四枚目で挑む欧勝馬。師匠は元大関・琴欧洲の鳴戸親方。先場所で欧勝馬の得意の押しが光った一番が美ノ海との取組。佐賀・唐津に鳴戸部屋は宿舎を構えている。欧勝馬は入門当初から九州の宿舎が大好きだという。この日、欧勝馬は稽古後にゲートボールを楽しむ地域の人たちのもとへ向かった。欧勝馬がゲートボールの腕前を披露した。欧勝馬はモンゴル出身で遊牧民の家庭に生まれ、馬を40頭飼っていた。高校2年の時、レスリングの選手として来日。大相撲に憧れ、大学で相撲に転身し学生横綱になった。相撲界へ入門し順調に番付を上げたが、新小結に昇進した今年7月の名古屋場所は3勝12敗と負け越した。欧勝馬は「気持ちで負けていた。上位では通用しないと分かった」と話した。そこから前に出る力を強化し、先場所の9勝につながった。稽古の際は時間の使い方を大切にしている。他の力士が相撲を取る時間もパーソナルトレーナーに筋力アップの指導を受けている。本場所の15日間、出発前に欧勝馬は必ず海に向かう。唐津の砂浜に「優勝」と書いたことがあり、その年に十両優勝したという。いよいよ今年最後の九州場所が始まる。欧勝馬は「親方から『小結に上がったから満足しているのか』と言われ、それがズンときた。最後の場所なので勝ち越して今年を笑顔で終わりたい」と話した。
