広島・廿日市市のサーキット「カートピスタヒロシマ」。営業終了を控えた先月、かつてここでしのぎを削ったドライバーたちが集まっていた。かつては公式レースも行われ、現在F1などで活躍するプロドライバー平川亮選手もここから世界へと羽ばたいた。人々を引き付けてきた理由の一つがオーナーの野田優さん。実は1970年代から全日本カート選手権で活躍し、世界選手権にも出場していた名ドライバー。伝説F1ドライバーのアイルトン・セナがF1デビューする6年前、日本で開かれたカートレースで競ったこともあった。モータースポーツの人気が高まっていた1991年、当時サーキットのなかった広島でカートを広めたいと野田さんは巨額の資金を投じてサーキットをつくった。野田さんやここに通うドライバーたちがこだわってきたのがエンジン。このサーキットにあるカートのエンジンはすべて「2スト」と呼ばれるエンジン。通常のエンジンに比べて最大馬力が大きく、時速100キロほどまでスピードが出る。しかし、このエンジンは排ガス規制の対象になり、2ストのカートは生産終了に。さらに国内で唯一カート事業を継続していた企業が2027年末での撤退を発表。人生を賭けてきたものが時代の流れとともに衰退していく。野田さんは先月末での営業終了を決意した。そして野田さんのラストラン。ここに集まる人たちがかつて憧れた野田さんの姿。多くの人を魅了してきた野田さんのサーキット。カート一筋の日々はひとまずフィニッシュ。野田さんは「みんなの顔を見たから嬉しかったね。わしの世界やったんやなあと。人生終わるみたいなことはないか。まだこれから」と話した。野田さんはサーキットの営業終了で故郷の兵庫県に戻るとのことだが、これからもカートには乗り続けたいと話しているとのこと。
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