日本など11の国が参加しているTPP(環太平洋パートナーシップ協定)。関税やサービス、投資などの自由化を進めるこの枠組みに、英国が正式に加わった。すべての国に関税をかけると主張する米国のトランプ次期大統領の就任が来月に迫る中、自由貿易を推進する経済圏が拡大する。英国北部の名産品・スコッチウイスキーのメーカー。売り上げのおよそ8割が海外向けで、英国のTPP加入を追い風と受け止めている。中でもマレーシアへの輸出では、これまでにかかっていたおよそ80%の関税が段階的に撤廃される。米国のトランプ次期大統領が保護主義的な政策を掲げていることもあり、TPP加盟国とのビジネス拡大を目指している。日本やオーストラリアなどが参加するTPP(環太平洋パートナーシップ協定)。15日、新たに英国が入った議定書が発効して加盟国は12か国に。2018年の発足以降、新たな国が加わるのは初めて。人口およそ5億8000万、GDP国内総生産の合計は14兆7000億ドルと、世界全体のおよそ15%を占めることになる。一方、当初、交渉に参加していた米国は発足前の2017年、トランプ前政権時代に米国の雇用を奪うなどとして離脱している。英国のTPP加入には、日本からも期待が寄せられている。日本食の人気でコメの輸出量が増加傾向にあるから。英国向けの関税は、精米や玄米、米粉について即時撤廃、パックごはんでも段階的に撤廃される。