政治部の立石顕記者に聞く。今回の閣僚人事についてどう見るか。閣僚の7割近くが初入閣となっており、刷新感をどう出すかに腐心したことがうかがえる。また今回政治とカネの問題で多くの処分者が出た旧安倍派からの起用はなかった。これは問題への厳正な姿勢を示すとともに国会で追及される隙を作りたくないという意図も感じる。ただ岩屋さんや赤澤さんら自身に近い議員の起用も目立つ。総裁選挙で争った陣営の議員からは「国民の期待はそう大きくならないはずだ」といった冷ややかな声も聞かれる。石破さんは党内基盤が決して強いとはいえないだけに党内の批判的な意見にも気を配りながらの船出となりそう。そして今月9日解散、27日投開票という早期のスケジュールで衆議院選挙に踏み切るということ。新政権の発足直後は支持率が高くなる傾向にあることから早期の解散が得策だと判断したためだと思う。石破さんはこれまで解散の前に国会論戦を行い、国民に判断材料を提供することも不可欠だと主張してきた。野党側は反発している。野党側は今月9日に解散するのであれば十分な論戦が行えないと反発しており、引き続き予算委員会の開催などを強く求めていく方針。石破さんが総理就任前に選挙の日程を表明する異例ともいえる展開に、すでに与野党が激しく対立する、事実上の選挙モードの様相を呈している。