厚生年金の加入要件のうち年収106万円の壁と呼ばれる賃金の要件について、厚生労働省は撤廃するかどうか引き続き検討する方針。与野党の間では税負担に関する103万円の壁の見直しの協議が来週から本格的に始まり、今後、社会保険料の負担の在り方についても議論が行われる見通し。パートなどで働く人が厚生年金に加入するためには、従業員51人以上の企業で月額8万8000円以上の賃金を受け取っていることなどが要件になっている。これについて厚生労働省は“短時間で働く人も加入して将来、受け取る年金を増やす必要がある”として要件の緩和を検討していて、きのう社会保障審議会に企業規模の要件などを撤廃する方針を示し、了承された。一方、「年収106万円の壁」と呼ばれる月額8万8000円の賃金要件については“最低賃金が上昇しているので、なくすべきだ”という意見が相次いだが、撤廃する時期を慎重に考えるよう求める意見もあり、引き続き検討することになった。「年収の壁」を巡っては所得税などの税負担に関する「103万円の壁」の見直しについて、来週から自民党と公明党両党と国民民主党との協議が本格的に始まることになっている。与野党の間では“働く人の手取りが増える「103万円の壁」の見直しに比べ、「106万円の壁」の見直しは負担の増加につながるため新たな軽減措置を検討すべき”という意見もあり、今後、社会保険料の負担のあり方についても議論が行われる見通し。