年度末まで残りわずか。参議院で審議中の新年度予算案を巡り、自民党はあさって、予算委員会で採決を行うことを提案するなど、年度内成立に向けて、日程を探っている。きのう石破首相が、公明党・斉藤代表との会談で伝えたのが、新年度予算案が成立したあと、コメやガソリンの価格高騰などを念頭に強力な物価高対策を打ち出すという考え。これに野党から反発の声が相次いだ。立憲民主党・重徳政調会長は「やることなすことタイミングがおかしい」、日本維新の会・岩谷幹事長は「参院選が控える赤、内閣支持率、自民党支持率を上げたい思いが透けて見える」、国民民主党・玉木代表は「今の予算は協力ではない物価対策しか入っていないと白状したようなもの」と述べた。与党内からも苦言が。自民党・石井参院国対委員長は「こういう話が出てくること自体が、予算審議中で大きな問題」と述べた。一方、公明党・岡本政調会長は「経済は動いている。予算審議を始めてからもさらにやるべきことは、今も考えるべき。不適切なタイミング、不適切な発言とは思っていない」と述べた。参議院予算委員会の中で、石破首相の発言の真意について問われた林官房長官は「石破総理は新たな予算措置を打ち出すことを申し上げたものではなく、物価高の克服に取り組んでいく決意を申し上げたものだと承知」と述べた。こうした状況の中で、新年度予算案の審議はどうなるのか。自民党と立憲民主党の参議院国会対策委員長が会談し、自民党は予算委員会の集中審議について、野党側が追加で行うよう求めていることを受けて、すでに合意しているあす午前の開催に加え、あさってにも3時間開くことを提案した。あさって締めくくりの質疑と採決を行い、その日のうちに本会議に予算案の再修正案を上程したいと提案した。これに対し立憲民主党は「審議時間が不十分で採決は受け入れられない」と主張し、引き続き協議することになった。立憲民主党・斎藤参院国対委員長は「決まったことはない。時間が足りない。その条件で採決までのめるわけがない」と述べた。