山口真一准教授は2024年をSNSと選挙の転換点と位置づける。その場の空気、流行、注目された論点が投票行動に影響を及ぼすようになったという。24年の兵庫県知事選は投票率が前回比で約15ポイントも上がるなど、政治への関心が高まった。一方、SNSでは過激な言説や対立軸が明確な構図が拡散されやすい特性があり、社会の分断が懸念される。兵庫県知事選挙では大量のフェイク情報、真偽不明の情報が拡散されたにも関わらず、調査報道、ファクトチェックがあまりみられなかったという意見もある。山口准教授は「批判的思考ができていると考える自信家ほど、フェイク情報を信じやすく、拡散してしまう傾向がある」と話す。情報の出どころ、利害関係、他の情報源ではどのような報道がされているのかなどを確認するだけでも、誤情報に流されるリスクを減らせる。