緊急手術から4カ月後、8歳のゆうだい君の脳には後遺症が残った。両親は弟たちの声を聞きながら生活するほうが回復に繋がると考え、退院を決意した。黒澤医師は「ある程度、距離は保とうとしている。そうしないとこの仕事、続けられないかもしれない」、「心のバランスをとるため、近づきすぎないようにしている」などと語った。取材中、黒澤医師の技術を学ぶため、千葉県から1人の医師がやってきた。ICUに勤務し、重症の子どもを治療することがほとんどないからだという。心臓の穴を塞ぐ手術を受けたりあちゃんの経過は順調で、春から保育園に通っている。黒澤医師は「ブラック・ジャック」で救われた子どもが将来、アメリカ大統領になるエピソードを話した。