去年の正社員の賃金の上昇率を内閣府が世代別に分析した結果を紹介。大卒の男性は、前の年と比べた伸び率が20代は前半も後半も3%を上回っているが、30代後半はゼロで40代は1%台、50代前半はマイナスになっている。大卒の女性も20代は2%前後だが、30代後半はプラス0.3%、40代はマイナスになっている。60歳以上のシニア世代は人手不足で処遇を改善する動きから、高い伸びとなった。三井住友信託銀行・調査部の大和香織チーフエコノミストは「若年層の上昇率が高いのは、人手不足の中で若い人材を獲得するために処遇を上げる必要があった。一方で、中堅ベテランの伸びが小幅だったのは、定年延長で高齢層を雇うための原資が必要で、もともと賃金水準が高い層が抑えられた」と分析している。このことは、消費にも影響すると大和さんは指摘する。「中高年齢層は所得が伸びづらいことに加え、教育費など出さなければいけない支出が多く割合を占める、それ以外のところの節約を強める傾向が強まりやすいと考えられる」と述べた。