若い世代の痴漢被害の実態を把握して対策に生かそうと、内閣府は全国調査を初めて行った。調査はことし2月に全国の16歳から29歳を対象にオンラインで行われ、3万6000人余りから回答を得た。それによると痴漢の被害を受けたことがあると回答したのは3804人で全体の10.5%だった。被害の時間帯は午前6時から9時が34.5%、被害の場所は電車内が62.8%でそれぞれ最も多くなっている。一方、被害を受けても警察などに知らせなかったと答えた人が80%に上り、その理由については「大ごとにしたくなかったから」とか、「通報するほどのことではないと思ったから」と答えた人がそれぞれ4割を占めた。内閣府は「痴漢は誰にでも起こりうる被害である一方、重大犯罪だという認識が十分に浸透していない」として相談体制の強化を図る方針。