内閣府は財政の健全性を示す指標「基礎的財政収支」が目標とする来年度に黒字になるという見通しを初めて示した。基礎的財政収支は、政策に充てる経費を借金に頼らず、税収などでどれだけ賄えるかを示す指標。バブル景気直後の1991年度は黒字だったが、その後は赤字が続いている。この黒字化は、2001年、いわゆる骨太の方針で、初めて財政健全化の目標として掲げられた。その後、目標年度を2011年度に定めたが、リーマンショックによる税収の減少などで先送りに。さらに、消費税率の10%への引き上げの前年には、税収の増加分の一部を子育て支援などに回すことが打ち出され、目標は2025年度へと再度先送りされていた。そしてきょう、内閣府は、その2025年度に8000億円程度の黒字になるという試算を示した。黒字の見通しが出たのは初めて。物価の上昇などに伴い、昨年度の税収が上振れたことなどで、収支が改善すると見込んだためだが、来年度予算で想定以上に歳出が膨らむなどした場合には、赤字となる可能性もある。