内閣府が行った調査、厚生年金を受け取る年齢になったときの働き方で「年金額が減らないように労働時間を調整する」と答えた人は60代後半では3割。厚労省は「年金制度が高齢者の就業意欲をそいでいる例もある」などとして見直しを始めた。現在65歳以上で働いている人は賃金と厚生年金あわせて月50万円を超えると年金が減る。65歳で働きながら厚生年金20万円をもらう場合、賃金40万円と厚生年金20万円をあわせて50万円を上回った分の半分、5万円が年金から減らされる。見直し案は62万円に引き上げる案、71万円に引き上げる案、上限額を撤廃する案の3つ。厚労省の資産では62万円に引き上げると年金支給額は新たに1600億円、71万円に引き上げると2900億円、上限を廃止すると4500億円増える試算。厚生労働省の担当者は「将来世代の給付水準が低下するため見直しには議論を重ねていく必要がある」としている。年金部会は年内までに議論をまとめる。