歴史的な円安対応の指揮を執ってきた財務省の神田財務官が先月末で退任した。為替介入などへの本音を単独取材した。神田眞人前財務官。就任してから3年間で延べ60カ国を訪問。ロシアによるウクライナ侵攻など、地球規模の問題にも対峙してきた。中でも対応に追われたのが歴史的な円安。市場では為替介入はしないだろうとの考えが多かった中、任期中何度も介入の指揮をとった。その決断の裏には。“介入”決断のワケについて神田前財務官は「一種のお金儲けの動き(=投機)の中で、結果的に多くの普通に生きている人たちの生活が脅かされる場合は何らかの対応を取らざるを得ない。介入は効いているというのがマーケットの評価だ」と語った。24時間動き続ける為替への対応。今回、特別に見せてくれたのは端末。5台もの端末を駆使し、向き合い続けてきた。今月1日には政権のブレーン「内閣官房参与」に就任。日本経済復活の“カギ”については「健全な危機感を持って、前向きに改革を実施していくことがなによりも重要。現状維持を志向することを繰り返してはいかん」と語った。