間もなく公開から2か月。劇場版「名探偵コナン」の影響力のスゴさを経済ジャーナリスト・渋谷和宏が解説する。4月18日に公開された劇場版「名探偵コナン隻眼の残像」は6月1日時点で興行収入133億円、観客動員数は921万人。映画の舞台となった長野県の経済効果がスゴイ。今作のメインの舞台となったのは長野県にある国立天文台、野辺山宇宙電波観測所。世界最大級の電波望遠鏡があり、1994年には世界で初めてブラックホールを発見していたが、近年は施設の老朽化などで運用停止の危機となっていた。しかし、コナンの映画のメインの舞台となり、今回直後からファンが訪問。西村所長自らコナンくんスタイルで出迎えてツアーを開催。盛り上げた結果、映画公開後の来場者数が約3万1000人となり、2024年度の1年間の来場者数の65%にあたる人数が映画公開後6週間で訪れた。西村所長は「若い女性がアンテナを見て歓声を上げるなんて信じられない」などと述べた。佐藤アナは「最後大変なことになる」などとコメントした。さらに映画で注目されたことで天文台への寄付金が458万円となり、老朽化した部品の交換や研究開発費用に使う予定。また長野の善光寺も映画に出てきたこともあり、GWの参拝客数は去年より約1万6000人増加した。ここ数年、コナン映画の舞台となった場所は観光客が増えるという現象が起きている。2024年コナン映画の舞台は北海道の函館だったが、去年の観光客は約602万人と過去最高を記録。さらに第15回ロケーションジャパン大賞のグランプリを受賞。劇場版「名探偵コナン」の舞台が盛り上がる理由のキーワードは「聖地巡礼」。聖地巡礼が盛り上がる仕掛けは「写真が撮りやすいアングル」、「県や市町村を挙げたPR」。劇場版「名探偵コナン」のプロデューサー・岡田さんによると写真が撮りやすい背景や構図を意識的に映画に取り入れているという。国立天文台野辺山、JR佐久平駅の現地と映画を比較。最近は、ぬいぐるみやアクリルスタンドを映画に登場した場所で撮影するのが人気。映画の舞台が長野県になったことを受け、長野県では信州フィルムコミッションネットワーク推進事業の予算を去年の2倍以上に増加。天文台のある南牧村ではコナン関連事業費として3234万円の予算を計上。映画と連携した観光プロモーションをしている。中山は「地方自治体が協力することで大きな経済効果が生まれるということ」、「群馬でもぜひ。草津温泉もある」、河出は「北海道函館は聞いていた」、田辺は「新潟でもぜひやってほしい」などとコメントした。