取材した授業で、高校生たちは政治動画の危うさを自ら体験することで学んでいた。今の若い世代は政治動画を冷めた目で見ており、SNSや切り抜き動画の悪い面をある程度理解していた。実はSNS上のものを大真面目に受け止め、振り回されているのは大人たちの方かもしれない。ユーチューブに限らずメディアはアテンションエコノミーの影響を受けやすく、テレビも例外ではない。しかし忘れてはいけないのは、あらゆるメディアは発信にあたりその内容について全ての責任を負わなくてはならないということ。選挙が近づくにつれ情報が溢れ、有権者は真偽の見極めが非常に困難になる。しかし選挙結果に責任を負うのは有権者であり、悪政のツケは常に有権者に回ってくる。取材の中で出会った政治系ユーチューバーは、皆「自分は大したことはしていない」と言う。しかし何人もの人がバズるコンテンツを同時に流すことで、破壊的な影響がある。兵庫県問題では、アテンションエコノミーのコンテンツの1つにされた竹内元県議が亡くなる事態まで起きている。