北海道の東の端にある別海町。人口はおよそ1万4000人。冬場はマイナス10度を下回る日もある極寒の地。そんな町にことし1月、別海高校野球部が初めて春のセンバツ甲子園に出場することが決定。選手は僅か16人。監督はコンビニの副店長。11月中旬から4月上旬までグラウンドが使えない中、なぜ甲子園に出場できたのか。別海高校のグラウンドには農業用のビニールハウスがある。1年のうちおよそ5か月はグラウンドを本格的に使うことができないため、長さ30メートルのビニールハウスが冬の主な練習場となっている。16人の選手ほとんどが地元、別海町出身でセカンドを守る千田涼太もその一人。千田の実家は酪農家。学校や練習が休みの日には牛の餌やりや牛舎の掃除など家の仕事を手伝う。別海町は人口の8倍およそ11万頭の牛がいる生乳の生産量日本一の町。野球部を率いる島影監督も別海町の出身。普段は地元のコンビニで副店長として働きながら野球部を指導している。島影監督の下、選手は限られた環境の中で工夫を重ね練習を行う。そして去年、秋の北海道大会。別海高校は創部以来、初のベストフォー進出を果たした。別海高校は4月までグラウンドを使うことができないため町の人々が室内でバッティング練習ができる場所を町が貸してくれた。さらに町は遠征費や甲子園での費用など、およそ5000万円をサポートした。
住所: 北海道野付郡別海町別海132-60