先月前橋市の映画館で、がん患者専門の診療所を取り上げた映画が上映された。病院で受けていた抗がん剤などの治療をやめて、自宅で過ごす5人の患者が医師と共に最後まで自分らしく生きる様子を映したドキュメンタリー映画。映画に登場する医師の萬田緑平さん、がんの痛みを薬でコントロールして患者の身体的・精神的苦痛を和らげる緩和ケアを専門に行う診療所を7年前に開いた。群馬大学医学部附属病院などで17年間外科医を務めていた萬田さん、やりがいを感じていた一方で治療をやめたいと思う患者の希望が叶わないまま、抗がん剤治療の副作用などに苦しんで亡くなる患者も見てきた。亡くなる直前まで自分らしく生きる選択肢もあるのではないか、43歳の時に在宅緩和ケア医への転身を決めた。萬田さんが診察にかける時間は1時間以上、死を受け入れてもらいながら最期をどう過ごしたいか一緒に考える。
この日、萬田さんが訪問診療に向かったのは、末期の膵臓がんの70代男性の自宅だった。去年の秋にがんが見つかり、入退院を繰り返していた。家に帰りたいという本人の希望を聞いた萬田さん。入院先の病院と交渉し、取材の2日前に自宅に帰ることができた。最初、家族は自宅で看病が出来るか不安がったというが、萬田さんや訪問看護師のサポートもあり家族との別れとゆっくり向き合う時間になった。取材した翌日、男性は息をひきとった。最期の時までその人らしく生き抜いてほしい、萬田さんは患者の選択に寄り添う。
この日、萬田さんが訪問診療に向かったのは、末期の膵臓がんの70代男性の自宅だった。去年の秋にがんが見つかり、入退院を繰り返していた。家に帰りたいという本人の希望を聞いた萬田さん。入院先の病院と交渉し、取材の2日前に自宅に帰ることができた。最初、家族は自宅で看病が出来るか不安がったというが、萬田さんや訪問看護師のサポートもあり家族との別れとゆっくり向き合う時間になった。取材した翌日、男性は息をひきとった。最期の時までその人らしく生き抜いてほしい、萬田さんは患者の選択に寄り添う。