能登半島地震の発生からまもなく半年となる。石川県輪島市では、1000人以上の人が避難所や2次避難先で生活している。避難生活が長引く中、被災したふるさとに残るか、ふるさとを離れ新しい場所で生活を再建するか、選択の岐路に立たされている人たちがいる。生まれも育ちも輪島市の澤田慎一郎さん。地震で被災し、家族6人で住んでいた自宅を追われた。澤田さんは今、中学生の長男と加賀市の旅館に2次避難している。一方、輪島市役所で働く妻の聖子さんは、輪島の小学校に通う2人の娘と2歳の次男との4人で市内の避難所に残り、家族が離れ離れに暮らしている。県外に引っ越して6人一緒の新しい生活をスタートさせることも考えているが、ふるさとへの思いも強く残っている。今月10日、澤田さんは1日かけて輪島でボランティアに参加した。娘たちの通う小学校のプール掃除もした。長年親しんできた輪島の景色や人の優しさに触れ、ふるさとを離れる決心に心が揺らいでいる。澤田さんは、もし輪島を離れることになっても、ふるさとを愛する気持ちは変わらないと話していた。一方、輪島市は、人口流出を防ぐためにも行き場に悩む被災者への支援を加速させたいとしている。