認知症リスク検査はMRI画像をもとに3年後の認知症発症リスクを予測する。この検査の開発を進めてきたのは、長年、認知症予防の研究を行ってきた島根大学。認知症の人は脳が萎縮しているため白い部分が多く写る。しかし、初期の認知障害ではその違いがわずか。医師でも判断が難しい。そこで活用しているのがAI。2000人の脳画像の数年分のデータを使用し、脳を290の領域に分けて体積を数値化。認知症になった人・ならなかった人、さまざまな脳の変化をAIに学習させ、正常な脳と認知症の人の脳どちらに近いかを評価できるようにした。また、認知症の前段階の軽度認知障害というものを見つけて予防につなげようという研究も進んでいる。その研究を行っているのが一関工業高等専門学校。腰にスマートフォン、靴に小型センサーを着けて1分ほど歩くだけで、AIの解析により、認知障害のある人特有の歩き方であるすり足やふらつきが分かるという。さらに、最新技術で周囲の人の理解を深めて認知症の人に優しい世界を目指す取り組みも進んでいる。認知症の症状をメタバースで体験できるというもので、想像だけでは難しいことを実際に自分の目で見ることでより実感できるようにしている。