北朝鮮の朝鮮労働党機関紙は、金正恩総書記が北朝鮮を訪問中のロシアのベロウソフ国防相と昨日面会し、軍事面などのあらゆる分野で関係を強化していく考えを示したと伝えた。この中で金総書記はウクライナへの軍事侵攻を巡り米国などが自国製の射程の長い兵器でウクライナにロシア領内を攻撃させたと非難した。そして直接的な軍事介入であり、ロシアが敵対勢力に相応の代価を払わせるため、断固とした行動を取ることは正当防衛権の行使だと述べて、軍事侵攻は国家の主権と領土を守るためだと主張するロシアの立場を支持する姿勢を強調した。そのうえで、両国が批准した有事の際の軍事的な支援などを明記した包括的戦略パートナーシップ条約に基づき、あらゆる分野で関係を強化していく考えを示した。韓国の通信社は北朝鮮からの追加の武器や兵力の支援、またそれに伴うロシアからの対価の提供などが議論された可能性があると伝えている。一方、ロシア国防省によると、ベロウソフ国防相は面会で来年が第2次世界大戦の終結から80年になると指摘し、ロシアと北朝鮮は戦争での勝利と日本による占領からの解放を祝うことになると述べたとしている。そしてロシアが来年5月に首都モスクワで行う第2次世界大戦でのナチスドイツに対する勝利を記念する軍事パレードに北朝鮮の軍を招待しているとして、北朝鮮が前向きに応じるよう期待を示し、さらなる関係の強化をアピールした。