スマホアプリで注文するとわずか20分で品物が届く。宅配サービスを利用する人が多い。配達料は数十円。支えているのは地方からの出稼ぎ労働者たち。予定時間に遅れるとペナルティが課せられるため仕事は時間との戦い。急ぐあまりに事故を起こしそうになる場面も。街では配達員が信号無視をしたり、道路を逆走したりする光景が日常的に繰り広げられている。休憩時間は少なく、収入は月で約20万円。地元の農村での収入の5倍近くに上る。建国以来、都市部と農村の格差を埋めることが大きな課題となってきた中国。世界第2位の経済大国となった今も格差は克服できていない。黄さんのような出稼ぎ労働者が都市部の生活を支えているのが現実。便利は配達社会を支えるもう一つがAI。顔認証でシステムを起動させる。AIが注文を割り振り、効率的な配達方法が指示される。黄さんの目標は高校2年生の娘を大学に行かせること。