今の保険証から新たな発行が停止され、最長1年間の猶予期間を経てマイナ保険証へと移行される。医療現場からは今の保険証の存続を求める声が上がっている。東京都内のクリニックではマイナ保険証を利用する人の姿が見られた。午前中に受診した54人中、マイナ保険証を利用したのは10人。利用していない人の多くも今後は、マイナ保険証に切り替えることを検討していると話していた。受診した女性の苗字「高成」だが、パソコン画面には正しく表示されなかった。取材したクリニックでは3年以上前からマイナ保険証システムを導入しているが、一定の頻度でトラブルが発生する状況が続いている。平将明デジタル大臣は「不正をしようと思う人から見ると不正しやすい環境にあるので、やはり穴をふさぐべきだと思っている」と述べた。現行の保険証は顔写真がなく、なりすまし、使い回しが起きていると指摘。政府はマイナ保険証の導入で医療費の抑制、救急搬送時のスムーズな医療活動に繋がるなど、利用者側にもメリットがあると強調。いとう王子神谷内科外科クリニック・伊藤博道院長は混乱を防ぐためにも、今の保険証との併用が現実的だとした。政府はマイナンバーカードを持たない人について、保険証代わりの「資格確認書」を届けるなど、確実に保険診療が受けられるよう対応していくと強調。医療現場に混乱が生じない対策が求められている。