米国・ワシントンで開かれているNATO(北大西洋条約機構)の首脳会議に出席している岸田総理大臣は、軍事的な関係を強めるロシアと北朝鮮に対応するため、NATOとの連携強化が重要だと訴えた。NATO首脳会議に3年連続で出席した岸田総理は、軍事的に接近するロシアと北朝鮮を「深刻に憂慮すべきものだ」と指摘し、ヨーロッパがアジア地域への関与を深めることを歓迎すると演説した。会議に先立って行ったNATO・ストルテンベルク事務総長との会談では、日本とNATOが機密情報をやり取りする「ホットライン」の設置で合意。年内にヨーロッパでの自衛隊との共同訓練実施を確認。NATOとインド太平洋地域のパートナー国との間で、ウクライナ支援、サイバー防御、偽情報対策、AI(人工知能)への対処など4分野で協力を進めることで一致。ウクライナはあすの東アジアかもしれないと岸田首相が一貫して訴え続けてきた危機感は、ロシアと北朝鮮が軍事的に急接近することで、より現実のものとなった。NATOやパートナー国との連携強化を、より実効性のあるものにしていけるかどうかが問われることになる。
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