数年前、殺人未遂の被害に遭った60代男性とその妻。事件は近隣に住む加害者が突然自宅に押しかけ、盗聴・盗撮をしているなど根も葉もない話を繰り返してきたことから始まった。この時は駆けつけた警察が対応にあたり事なきを得たが、約1週間後に再び自宅に来た加害者は包丁を手に1階の窓を割って侵入。男性は包丁で複数回切りつけられて全治1か月のけがを負い、妻も重度のPTSDとなった。加害者は殺人未遂の疑いで逮捕されたが、精神鑑定で責任能力がないとして不起訴に。その後、加害者には医療観察制度が適用され入院が決まった。夫婦は加害者が今何を思うのか、どのような治療を受けているのかなどを知りたいと考えた。しかし、知らされたのは入退院の決定だけだった。国は3月、犯罪被害者を支援する新たな基本計画を閣議決定。医療観察制度の下での被害者への情報提供のあり方などについて多角的な検討を行うとしている。「医療観察法と被害者の会」が6月に開いたシンポジウム。参加した人たちは被害者支援の充実に加え、情報提供の促進や思いを加害者に伝える制度作りを訴えていた。
今後、被害者への情報提供が進んだ場合、新たな負担を懸念しているのが医療現場。北海道大学病院附属司法精神医療センターで賀古さんたちは被害者の支援をめぐって意見を交わしていた。賀古さんは病状の回復が見られる人に情報提供に関する意向を尋ねたところ、約9割が同意した。ただ、職員からは「病状も事件の振り返りもセンシティブ。どこまでの情報を出すかはかなり吟味しなきゃいけない」という声もあった。さらに、被害者の思いを加害者に伝えることについては「有益だと考えているが、それを誰が担うかといったら私たちが直接的に役割を担うことによって、対象者の支援に私たち自身の心情的な悪影響があるかもしれない」「私たちが発したことばで被害者の方を傷つけてしまうこともありえるかもしれない」という声が上がった。治療を経て社会復帰を果たしたAさんにも被害者への思いを聞くと「目が覚めたという感じ。できるなら被害者に謝りたい」と話していた。賀古さんは被害者支援の充実は重要だとしたうえで、現場に過度な負担がかからない仕組みが求められているという。
今後、被害者への情報提供が進んだ場合、新たな負担を懸念しているのが医療現場。北海道大学病院附属司法精神医療センターで賀古さんたちは被害者の支援をめぐって意見を交わしていた。賀古さんは病状の回復が見られる人に情報提供に関する意向を尋ねたところ、約9割が同意した。ただ、職員からは「病状も事件の振り返りもセンシティブ。どこまでの情報を出すかはかなり吟味しなきゃいけない」という声もあった。さらに、被害者の思いを加害者に伝えることについては「有益だと考えているが、それを誰が担うかといったら私たちが直接的に役割を担うことによって、対象者の支援に私たち自身の心情的な悪影響があるかもしれない」「私たちが発したことばで被害者の方を傷つけてしまうこともありえるかもしれない」という声が上がった。治療を経て社会復帰を果たしたAさんにも被害者への思いを聞くと「目が覚めたという感じ。できるなら被害者に謝りたい」と話していた。賀古さんは被害者支援の充実は重要だとしたうえで、現場に過度な負担がかからない仕組みが求められているという。
