伊豆諸島で麦こうじを使って造られた焼酎「東京島酒」が地域ブランドとして国が保護する制度に東京の酒として初めて指定され、その魅力をPRする催しが都内で開かれおよそ200人が集まった。大きな特徴は原料の芋や麦に加え麦こうじを使って造られている点。草木のような清涼感のある香りも楽しめる。参加した飲食店経営者からは「麦こうじ由来の独特な感じが鹿児島とか宮崎の焼酎とは違った感じで独特でおもしろいなと思う。個人的には温めると麦こうじのよさが出てくるような気がする。」という感想が寄せられた。東京島酒製造の始まりは国税庁によると江戸時代にさかのぼる。1853年、八丈島に流罪となった今の鹿児島県出身の商人が焼酎造りの製法を島の人たちに伝授したとされ麦こうじの製法は遅くとも明治後期までには確立されたとされている。東京島酒は島民の営みと強く結び付いて造り継がれてきたが、物流の発達でさまざまな酒が出回るようになって酒蔵の数は減っている。こうした中、ことし3月、東京島酒は地域ブランドとして国が保護する制度に東京の酒として初めて指定された。酒蔵はこの指定を販路拡大の追い風にしたいと考えている。八丈島の酒蔵・小宮山善友社長は「まずは地元東京で「東京島酒」を酒屋に置いてもらいたい」などと話した。