政治が混乱している韓国の日韓経済への影響について。去年のデータを見ると、日本にとって韓国は輸出額では3位、輸入額では7位の貿易相手国。そして日本を訪れた外国人旅行者数では、韓国が1位となっている(出典:日本政府観光局)。韓国の文化は日本でも定着しているが、2年前のユンソンニョル大統領の就任前はそうではなかった。2018年、太平洋戦争中の徴用を巡る裁判で、韓国の最高裁判所が日本企業に対して賠償を命じる判決を言い渡したあと、日韓関係は急速に悪化した。韓国は日本をWTO=世界貿易機関に提訴し、日韓関係は戦後最悪とまで言われたが、それを変えたのが強い意志で関係改善を進めてきたユンソンニョル大統領。その後、日韓関係は改善し韓国は去年、WTOへの提訴を取り下げ、日本も輸出管理を厳しくしていた措置を解除した。ことし5月には、日中韓FTA=自由貿易協定の交渉を加速させるための議論継続で合意し、さらに結び付きが強まることが期待されていたところだった。政治の混乱が日本経済に与える影響について、韓国経済に詳しい専門家、ニッセイ基礎研究所・キムミョンジュン上席研究員は「現段階では、日韓経済に大きな影響はないと思うが、今後の動きが問題になる」としている。「ユン大統領が弾劾されたり辞任したりした場合、次の大統領を選ばなければならない。野党の人が大統領になった場合、『屈辱外交』とかそういうことを批判したので(いまの経済政策)をそのままやることは多分ない。いろいろ政策が変わる可能性はより大きいのではないか」と述べた。日韓の間では、外交日程にはすでに影響が出ている。影響は経済にも波及するのか、状況をよく見ていく必要がある。