人口約11万2000人の印西市は東京の「ベッドタウン」として発展してきた。全国814都市の住みよさランキングで7年連続1位に輝いたこともある印西市。豊かな自然と便利な生活環境をアピールして、今も人口が増え続ける人気の街。ニュータウン駅から徒歩5分の場所に高さ52.7m、延床面積3万平方メートルを超えるデータセンターを建設する計画がある。住民向け説明資料を見ると、日差しは朝8時、東からの影が奥の住宅地まで伸びている。時間を進めると午後2時データセンターの影が横のマンションにかかりはじめ、午後3時をすぎるとマンション全体がすっぽりと影の中に入ることが分かる。武田淳一さんは建設予定地前の集合住宅に妻・息子2人の4人暮らし。今は目の前に何も遮るものがない空間。ここに視界を塞ぐ形で、巨大なデータセンターの壁がそびえ立つ計画。武田さんは周辺住民と協力して、「考える会」を結成。住民集会を開き、施工側に意見書を出すなど、再考を求める活動をしている。