南アフリカではアパルトヘイト(人種隔離政策)撤廃以降初めて議席の過半数を失った与党が、白人の支持者が多い第2党などとの連立政権の樹立で合意し、現職の大統領の続投が決まった。南アフリカでは先月行われた総選挙の結果、アパルトヘイト撤廃以降30年にわたって政権を担ってきたANC(アフリカ民族会議)が議会で過半数を割り込んだ。ANCは国民統合政権を目指すとして各党との連立交渉にあたってきたが、14日までに白人の支持者が多く自由主義経済を重視する第2党の民主同盟などと連立政権を樹立することで合意した。14日に招集された議会での投票の結果、ANCのラマポーザ大統領の続投が決まった。一方でANC内部には黒人への経済的優遇措置の撤廃などを主張する民主同盟との連立に反発する声もあり、今後安定した政権運営が行えるかが焦点となっている。