両陣営は子育て世代からの支持獲得に注力している。インフレの長期化で保育料など子育てに掛かる費用は5年前に比べて平均で30%も上昇。州によっては公的な補助制度が限られる中、両候補が打ち出す子育て支援策に有権者の関心が集まっている。レーチェル・レンジェルさんは激戦州の1つであるペンシルベニア州で夫と息子・リアム君と3人で暮らしている。リアム君の保育料は日本円で月額約17万円。共働きで生活をやり繰りしているが、貯蓄に回す余裕はないという。リアム君が通う保育所はこのままインフレが続けば保育料の値上げを検討せざるを得ないとしている。ハリス氏は中・低所得層の親に子ども1歳まで6000ドルの税額控除を行い、子育て費用の上限を世帯収入の7%におさめると主張している。一方のトランプ氏は子育て費用の高騰も経済的な問題とし、経済そのものを改善させることを強調。共和党の副大統領候補のバンス氏は、全ての子育て世帯に対して子ども1人につき5000ドルの税額控除を行うとしている。専門家は「激戦州では1票1票が重要で、子育て支援で有権者を引き込むことができれば候補者はそうするだろう」などと述べた。