中国では明日9月3日は抗日戦争勝利記念日で、今年は軍事パレードが実施されるため中国・北京市では厳戒態勢が敷かれている。戦後80年の節目の今年、中国政府は抗日戦争の記憶を市民の心に呼び覚まそうとしている。南京事件を題材とした映画「南京写真館」は、写真館を舞台に日本兵が人々を殺害する様子を写した写真などを南京市民らが証拠として国際社会に知らしめるというストーリー。公開から1か月あまりで興行収入が590億円を超える大ヒットとなっている。中国メディアは映画を見た子どもたちが日本を非難し日本のゲームカードを破り捨てる様子を報道している。蘇州市では7月、日本人の母親が中国人の男に襲われケガをする事件が発生した。犯行動機は不明だが背景に反日感情の高まりがあるのではとの懸念が高まっている。こうした映画の公開などをうけ日本政府は先月、中国に住む日本人に注意を呼びかけた。蘇州市で妻と娘と中国で暮らす男性のもとにも警戒を呼びかけるメールが届いたという。中国でこの夏増えているのが抗日戦争の歴史をめぐる旅行。旧日本軍との戦いを再現したアトラクションが人気のテーマパークでは子どもたちもレプリカの銃で参加していた。中国政府が抗日の歴史を強調する中、日本人・中国人双方から関係悪化を懸念する声が上がっている。