杉山正見さんは妻が若年性認知症と診断され55歳で退職した。杉山さんは当時管理職で多忙な日々を過ごしていた。しかし信子さんの症状が進行していった。杉山さんは仕事中も妻の心配が尽きなくなり会社に迷惑をかけたくないという思いに加え妻と過ごす時間を一番に考えたいと誰にも相談せずに退職を決意した。杉山さんは「情報がないから選択肢はなかった」などと話した。杉山さんは自宅で1人妻の介護を担った。誰にも頼れない状況が続き精神的に追い詰められていったという。家族の介護・看護を理由に仕事をやめた人は10万6000人となっている。仙台市の広告会社では介護を専門とするカウンセラーとの面談を3月から始めている。カウンセリングを導入した社長は社員が働く日数を減らし業務の一部を外部に担ってもらうなどし介護と両立できる体制を整えている。杉山さんは「介護離職というのは最後の最後の選択なんだろうなと今は思う」などと話した。