2024年9月20日放送 19:30 - 19:57 NHK総合

首都圏情報 ネタドリ!
認知症“予備軍” 「早期」に「予防」できる!?

出演者
合原明子 山本學 羽生春夫 
(オープニング)
認知症“予備軍” 早期に見つけて予防せよ!

認知症は早期に見つけて予防する。そんな新しい常識が広がっている。早い人では60代から発症する軽度認知障害。放置しておくと認知症に移行する人もいるとされている。しかし、早期に発見すれば認知機能の低下を防げることが最新の研究から明らかになってきた。最大4割の人が認知機能を回復。予防の秘けつは適切な運動や食生活の改善。

キーワード
認知症軽度認知障害
オープニング

オープニング映像。

認知症“予備軍” 「早期」に「予防」できる!?
認知症“予備軍” 早期に見つけて予防せよ!

人の認知機能は年齢が上がるにつれ低下していくものだが、そうした加齢によるものではなく病的な低下が始まり日常生活に支障が出る程進んだ状態が認知症。その一歩前の段階といわれる軽度認知障害は日常生活に支障はないものの記憶力や判断力などの低下がみられる状態。早いと60代からその症状が始まり、認知症予備軍ともいわれている。ただ、本人や家族が症状に気付き適切な予防策を行えば認知機能が維持されたり場合によっては回復したりすることもあるとされている。今年5月、国は現在560万人いるとされる軽度認知障害の人が2040年には610万人にまで増加するという将来推計を初めて公表した。こうした中ますます大事になってくるのが早期に予防すること。実際に軽度認知障害と診断されたある男性の姿からそのヒントを探っていく。

キーワード
厚生労働省国立長寿医療研究センター日本放送協会認知症軽度認知障害
“軽度認知障害”はこうすると改善する!?

俳優の山本學さん87歳は自分が軽度認知障害になって体験したことを広く知ってほしいと取材に応じてくれた。山本さんはこれまで数多くのテレビドラマや舞台で活躍してきた。ここ数年、漢字を忘れるなど物忘れが増えてきた山本さん。そして2年前、ある異変を感じた。実際にないものが存在するかのように見える「幻視」の症状が表れた。山本さんは認知症を疑い病院を受診。精密な検査を受けた。MRIで脳の海馬の状態は年齢相応と見られた一方、別の検査で脳の一部に血流の低下が見られた。診断結果は軽度認知障害。ただ、山本さんはその現実を冷静に受け止めた。メモリークリニックお茶の水、主治医の朝田隆院長は山本さんに対し認知機能の低下を防ぐためのアドバイスを行った。医師のアドバイスのもと山本さんが取り組むことにしたのが週に1回の筋力トレーニング。腹筋や片足立ちなどで全身の筋肉を刺激していく。筋肉を刺激すると脳の神経細胞に影響し脳が活性化するという研究結果が報告されている。さらにバランスのよい食事が認知機能の低下を防ぐという研究もある。山本さんの朝食はハンバーグやバターなどを混ぜたたんぱく質豊富なオートミール。そして、サラダや果物。多くの種類の食品を食べることで認知機能が悪化するリスクを44%下げることができるとされている。先月、山本さんは2年ぶりに認知機能検査を受けた。記憶や計算、文章理解など1時間程の検査を行った結果、代表的な2種類の認知機能テストの点数が2年前よりともに改善していた。

キーワード
メモリークリニックお茶の水大奥白い巨塔認知障害
認知症“予備軍” 早期に見つけて予防せよ!

俳優の山本學さんがスタジオに登場。山本さんは認知機能検査で認知機能が回復している。軽度認知障害のチェック方法1:前日の夕食は?。認知症になってしまうと記憶の低下が進むので1つも思い出せない。他にも1分間に動物の名前をいくつ言えるかという課題。10個以下で認知症の疑いといわれている。軽度認知障害から認知症に移行しない人はどのくらいいるのか。年間平均16から41%が正常に回復するというデータがある。予防策は3つ。運動習慣、余暇活動、社会交流。

認知症“予備軍” ◯◯を使って早期発見!

今月、足立区役所で認知機能や体力を測定する無料のイベントが開かれた。そこで認知症のリスクを調べる新しいチェックプログラムが住民に提供された。最大の特徴は本人に加え家族の視点でも調べられること。スマートフォンやタブレットで13項目の質問に答えると認知症になるリスクが3段階で判定される。本人は家族と比べて症状を軽く回答する傾向があるため、誰が答えたかによって結果に違いを持たせている。区では来年度からチェックプログラムをLINEでも配信し幅広い年代に活用してもらう予定。本人の自覚症状が出る前、超早期に予兆を見つけ出そうという試みも始まっている。学習院大学の高島教授が開発したのがVR=バーチャルリアリティーを使った検査方法。検査では仮想空間内の広場にある3つの場所を移動していく。体の向きを変えながら黄色い旗と赤の旗を通過し目印がないスタート地点に正確に戻れるのか調べるもの。脳の中には空間の位置情報を把握する神経細胞があり、いわば車のカーナビのような機能を果たしている。病気の原因となるタンパク質はまずこの神経細胞に蓄積し機能を阻害する。タンパク質の蓄積はある程度進行しないとMRIなどでは診断することができない。しかし、この検査では本来のスタート地点と自分の感覚で戻った地点の誤差からタンパク質の蓄積を推定することができるという。この検査を働く世代への早期発見につなげようとする企業も出てきている。都内にあるIT企業。この日、VRゴーグルの検査を試していたのは30代から40代の従業員。会社ではこの検査方法を健康診断に導入することを検討している。

キーワード
学習院大学豊島区(東京)足立区役所足立区(東京)
“軽度認知障害”を恐れない 正しく知って早期予防を

VRゴーグルは今後、医療機関と連携して臨床試験を行うなどしてその効果の検証を進めていく予定だという。早期発見によって軽度認知障害と診断された場合、今まで威力のある治療薬はなかったが、昨年にレカネマブをアルツハイマーを背景とする認知症に効果が期待できる治療薬が登場した。

© 2009-2024 WireAction, Inc. All Rights Reserved.