人の認知機能は年齢が上がるにつれ低下していくものだが、そうした加齢によるものではなく病的な低下が始まり日常生活に支障が出る程進んだ状態が認知症。その一歩前の段階といわれる軽度認知障害は日常生活に支障はないものの記憶力や判断力などの低下がみられる状態。早いと60代からその症状が始まり、認知症予備軍ともいわれている。ただ、本人や家族が症状に気付き適切な予防策を行えば認知機能が維持されたり場合によっては回復したりすることもあるとされている。今年5月、国は現在560万人いるとされる軽度認知障害の人が2040年には610万人にまで増加するという将来推計を初めて公表した。こうした中ますます大事になってくるのが早期に予防すること。実際に軽度認知障害と診断されたある男性の姿からそのヒントを探っていく。