医師がすすめる治療だからと信じてしまったことを悔やんでいるというケースも。6年前、同居していた母をがんで亡くした女性。初期のがんだと診断され家族で治療の方法を検討する中、独自の免疫治療を確立したとホームページでうたう医師のことを知った。手術を怖がっていた母親はこの治療にかける決断をした。処方箋として渡された書類をもとに免疫を高めるというサプリメントなどを2年にわたって購入。総額は350万円に達していた。医師からは血液検査の結果などをもとに治療の成果が出ていると説明を受けていた。治療を始めて1年余り。がんを克服した例としてサプリメントの販売を手がける企業の広報誌にも紹介された。その9か月後、痛みを訴えるようになった母親は家族と共にクリニックを訪れたがよくなっていると言われた。しかし、まもなく母の容体は急変。救急搬送された総合病院でがんの全身転移が判明した。女性は一連の資料をまとめ警察や厚生労働省に相談したが、思うような回答は得られなかった。