加納美也子のスタジオ解説。きょうのギモンは「最低賃金1050円台半ばに?」。きょうのポイントは「過去最大の上げ幅でも」「中小企業は…賃上げの課題」。最低賃金の昨年度の上げ幅は43円で、全国平均は現在1004円。今回の審議会で労働者側は物価高の影響など大幅な引き上げを求めたが、経営側は慎重な姿勢を見せている。過去最大の引き上げ額50円程度とし全国平均を1050円台半ばとする方向で調整しているが、議論は今も続いている。東京・渋谷では50円上がることに対して「そんなに変わらないのでは」という声や「時給が低いとモチベーションにならない」などの声。もし時給が50円上がったら時給1054円で1日8時間月20日勤務した場合、1か月で8000円、年間で9万6000アップする。最低賃金(全国平均)の推移を紹介(厚生労働省より)。時給1280円で郵便配達の仕事をしている埼玉県の男性に話を聞くと、物価高に悩まされているという。岸田総理大臣は、2030年代半ばまでに最低賃金を全国平均で1500円まで引き上げることを目標に掲げている。経済評論家・加谷珪一さんは今回の引き上げの目安について、「最低賃金1050円台半ばは現実的には妥当だが物価上昇に追いついていない」と指摘する。加谷さんによると理想は今年度最低賃金1100円で2030年代半ばまでに1700円にするべきだとしている。中小企業の賃上げをめぐる短期的課題は「大企業が下請け中小企業に代金を支払うこと」。長期的課題は「中小企業が独自に商品開発や販路を拡大し利益を増やす力をつけること、政府がIT化を支援すること」。賃上げできないと人材は残らない、企業としても生き残れないという状況ですので今こそ日本経済全体で変わっていかなくてはいけないのではないでしょうか。