太田雅志氏に話を聞く。与党にとっては極めて厳しい状況で、自民公明は劣勢が報じられて組織の引き締めを図ったものの、従来の支持層が離れていくのを食い止められなかったとみている。 一方、野党側は国民民主や参政といった比較的新しい党が議席を大幅に増やす見通し。現役世代を中心に支持を広げ、自民の従来の支持層の一部を取り込んだものとみられる。与党が過半数を割り込んだ場合、石破首相の進退に直結する可能性がある。衆院選・都議選・参院選の3連敗となり、党内では続投は難しいという見方がある。一方で、関税交渉もあるなかで政治空白を作るわけにはいかないと話す閣僚経験者もいる。石破首相が続投する場合、政権運営が厳しさを増すことが必至だ。辞任の場合は総裁選が行われるが、野党多数のため首相指名選挙で自民総裁が首相に選出される保証はない。野党側は衆参両院で多数をとれば攻勢を強める数を手にすることになる。野党が結束して政権をとりにいくのか、政治を停滞させないことを重視し、与党に協力するのか、各党の方向が今後の政治情勢のカギとなる。