量子科学技術研究開発機構などの研究チームは40歳以降に発症したうつ病などの患者の脳に、認知症の原因とされるタンパク質「タウ」が蓄積していることが分かったと発表した。近年、認知症の前段階にうつ病や双極性障害などを発症する可能性が指摘されていた。認知症と中高年のうつ病などの関連性が客観的に示された形。量子科学技術研究開発機構・高畑圭輔主任研究員は「中高齢で発症する気分障害の患者が認知症の初期症状として捉える必要性も出て、将来認知症の早期診断あるいは早期治療につなげる必要性を感じている」と話した。研究は40歳以降に気分障害を発症した患者52人と健康な47人を比較した結果、40歳以降に気分障害を発症した人の半数はタンパク質「タウ」が蓄積していると判定された。蓄積していると判定される頻度が健康な人の約4.8倍にあたる。中室は「早期発見につながるところは非常に良いニュース」とコメントした。