岸田総理は「自民党が変わることを示す最も分かりやすい最初の一歩は、私が身を引くことであります。私はきたる総裁選には出馬いたしません」と述べ自民党総裁選に立候補しないと表明した。理由として挙げたのは派閥の裏金問題などが招いた政治不信。岸田総理は「もとより所属議員が起こした重大な事態について組織の長として責任を取ることにいささかの躊躇もありません」と述べた。自民党・小野寺元防衛相は「大変驚きました。総理が今回自ら政治責任を取られたことを重く受け止めております」と話した。このタイミングで表明した理由について、岸田総理は外交の日程に一区切りがついたと説明。ある自民党幹部は党内情勢を冷静に分析し、総裁選に出ても勝てないという判断に至ったのだろうと指摘している。現職の総理が表明した不出馬。これを受け9月の総裁選に向けた党内の動きが本格化する。石破茂元幹事長は岸田総理の会見後、訪問先の台湾で「私のような者でも一緒にやろうという方々、総裁選に推してやろうという方々が20人おられれば、ぜひとも総裁選挙に出馬したい」と述べた。茂木幹事長や河野デジタル大臣のほか、高市経済安全保障担当大臣といった現職の党役員、閣僚の中からも立候補しやすくなったとの見方が出ている。若手中堅議員の間で出馬待望論が上がっているのが小林鷹之前経済安保担当大臣、そして小泉進次郎元環境大臣も、最近になって出馬を模索し始めている。野党、立憲民主党・泉代表は「党が危機になると総理総裁を代えて心機一転、過去を忘れてもらうと。私はそういう手法に国民がいつまでも私は引っ掛かってはいけないと考えます」と述べた。新たなリーダーを「一兵卒として支える」と話した岸田総理は新総裁について「今度こそオール自民党でドリームチームを作って、信頼回復に向けてしっかりと取り組んでもらいたい」と述べた。