小規模事業者によるミニシアターは様々な試みを行っているという。東京・青梅市のシネマネコは地元の児童に劇場を貸し出して映画鑑賞会を行うなどの取り組みを行っている。名古屋のナゴヤキネマ・ノイは地元の書店で月に1度映画の魅力を伝えるトークイベントを行っている。その一方でミニシアターは収益が課題となっているのが現状で、仙台のチネ・ラヴィータは8年前に大規模なシネコンがオープンしたことと新型コロナが直撃したことで今年3月に閉館という形となってしまっている。全国のミニシアターで作る団体に対して行われたアンケートでは経営状態が悪いと答えた事業者が約7割となっていた。その一方で8割強のミニシアターが今後1年以内に閉館を検討する可能性の設問には閉館しないと答えたという。ミニシアターは大型の映画館に比べてスクリーンが小さく、収益化の難しさにつながってしまっている。この課題に取り組んだのは運営が変わったばかりの東京・墨田区のStrangerで、地域密着とともに作品ラインナップの強化を進め、アニメからヒューマンドラマまで幅広い物となっている。チケット以外の収益を強化するために隣接するカフェのメニューを増やすことで収益力を強化している。これらの改革から観客動員数は1割・売り上げは2割以上増加しているといい、スタッフとお客さんの距離を近づけることで文化発信拠点の役割を担おうとしている。映像文化に詳しい専門家はミニシアターは多様性や創造性といった文化の土壌を作ることにつながると言及している。