待ったなしの気候変動対策。その対応を話し合う国連の会議・COP29が開幕。世界が一致した対応を示せるかが焦点だが、気になるのは、あの国の動き。COP29議長・アゼルバイジャン・ババエフ環境天然資源相は「気候変動はすでに始まっている。1つの国だけで解決できる問題ではない」と述べた。旧ソビエトのアゼルバイジャンで開幕したCOP29。計190を超える国と地域が参加する見通し。途上国の気候変動対策に必要な資金が不足しているとされる中、先進国が拠出する資金の規模やその分担の在り方などが大きな焦点となる。今回のCOP29で懸念されているのが米国の対応。米国は、二酸化炭素など、温室効果ガスの世界第2位の排出国だが、当時のトランプ大統領はCOP21で採択されたパリ協定から離脱。その後、2021年にバイデン大統領が就任すると米国はパリ協定に復帰するが、今回の大統領選でトランプ前大統領が再び勝利。化石燃料の生産拡大を打ち出し、気候変動に後ろ向きな姿勢を示している。COP29に参加した各国の代表からは、懸念の声が相次いでいる。コモロ代表団は「米国はパリ協定を離脱しないでほしい」、フィンランド代表団は「トランプ氏は離脱すると公言してきたので心配している」と語った。