今月1日に都内で上演された朗読劇「言葉つなぐ明日へ」は、朗読教室に通う失語症の人たちの心の内を描く群像劇とのこと。出演者のほとんどが失語症の当事者で、脚本も実体験をもとにしているという。出演者の梶彰子さんは、2014年に交通事故の後遺症で失語症を発症。最初は絶望感があったというが、2年前にリハビリとして朗読を始め、練習に打ち込むうちに気持ちも前向きになっていったという。劇の練習では、失語症の当事者として抱えてきた思いをどうすれば伝えられるか検討を重ねた。本番はほぼ満席で、自分の言葉で思いを伝えきった出演者に対し、客席から温かい拍手が送られた。梶さんは「言葉が出なくなってからひとつひとつの言葉がすごく大切にかじられるようになったと思います」などと話した。