小石川後楽園は水戸徳川家の上屋敷にあった庭園で、2代藩主だった徳川光圀の時代に完成した。高さ1.7mほどの小さな滝があるが、中山道の名所である寝覚の床にちなんだ名前がつけられている。寝覚の床は松尾芭蕉ら文人が俳句で詠んだことで知られる。服部勉氏は「実際の景色を凝縮し、景色を再現する。これは縮景と呼ばれる」と語った。また、庭園内の道は上り坂、回り道で視界を遮り、先に何があるのかと来園者の期待を膨らませる仕掛けとも言える。さらに庭園の池には琵琶湖をイメージしたモチーフが点在し、松は唐崎の一本松を見立てたもの。嵐山の渡月橋も縮景で再現されている。服部氏は「水戸徳川家には参勤交代がなく、光圀は行ってみたい場所、心の旅っていうんですかね。憧れの旅のテーマパークとして造ったのではないか」と語った。
住所: 滋賀県大津市大津市唐崎1-7-1