台湾選挙で導入された「クオータ制」。立法院の選挙では、当選した議員は4割以上。台湾の議会で導入されている「クオータ制」だ。クオータは、割当という意味だ。たとえば地方議会の場合、議員4人に対して1人は女性にする。クオータ制で女性議員が増え、政治や暮らしは変わった。苗栗県で県議会議員をつとめる27歳の蕭さん。クオータ制により初当選した。蕭さんの選挙区では定員8人で女性は1人しかいなかった。全体で11位だった蕭さんは、女性候補の中で2位だったため、8位の男性といれかわり、当選した。この日、地域の炊き出しに参加した。福祉政策の充実を目指しているという。台湾は1980年代まで国民党の一党支配。独裁政治が行われていた。その後、民主化運動が活発化し、女性の権利向上が重視された。民主的な選挙が始まると、地方議会などでクオータ制の導入が進んだ。クオータ制導入から約30年がたった。制度を利用せずに当選する女性議員が増えた。女性地方議員の比率は、1990年代には15パーセントだったが、2022年には37パーセントになっている。男性議員が取り上げることが少なかった課題に、女性議員たちは取り組んでいる。台北市議会議員の簡さんは、共働きの家庭が増える中、女性が働きやすくするために子どもを預かる施設の充実を訴えた。長期休みでも子どもを受け入れる施設の設置を提案。効率小学校のスペースを活用することで利用料も安く抑えられた。男性議員からも支持を集めた。8年間で18か所から54か所になった。男性議員の間でも関心が高まり、育児制作の議論を進めやすくなったという。男性議員の意識が変化し、多様な意見を受け入れられるようになった。国立台湾大学の黄教授は、ジェンダーに関する政策も進めやすくなったという。一方、クオータ制に疑問を感じる人もいるという。劉さんは、前回の市議会議員選挙に立候補したがクオータ制により落選した。制度について議論を進める段階だという。女性議員と男性議員の数はほぼ半々になり、政治参画している女性はとっても多いという。