30日のニューヨーク株式相場について、明治安田アメリカ・長谷川悠貴氏は、前日にナスダックが最高値を更新していたことから割高感が意識され、3指数とも下落した。個別銘柄では、前日引け後に決算発表をした「アルファベット」が、市場予想を上回る決算を発表。クラウド事業の売上高成長率が前年同期比プラス35%と前期から加速した点などが好感され、本日の株価は3%近く上昇した。肥満症治療薬の売上が期待されていた「イーライリリー」は、市場予想を下回る決算を発表し、通期見通しを下方修正したことで6%下落した。7−9月期のGDPも発表されたが、実質GDP速報値は年率換算で2.8%プラスとなり、市場予想には届かなかった。項目別では純輸出や在庫投資がマイナスになり押し下げ要因となった。個人消費はプラス3.7%と前期の2.8%から加速。市場予想を上回る結果で全体をけん引した。特に自動車、家具、家庭用品、娯楽用品などが伸び、引き続き消費の強さが意識される内容となった。前回からGDP成長率が鈍化し、予想を下回ったことは金利上昇の抑制に繋がったが個人消費の強さは健在なため市場の受け止め方はまちまち。前回のFOMCでの50bpの利下げはやりすぎだったのでは。との声も聞かれる中、今週金曜日に控える雇用統計も米国経済の現状を見極めるうえで大きな注目材料。その他、あすのアップル・アマゾンなどの大柄銘柄の決算や大統領選も間近に控える中、短期的なボラティリティーの高さには注意が必要と解説した。