ロシアの経済は、欧米などの制裁を受ける中、軍需産業によってGDP国内総生産が押し上げられ、去年は4.1%の伸び率となった。プーチン大統領は去年12月、モスクワで「ロシアの経済的状況は安定している」などと述べていた。一方、国防費の増加や人手不足によってインフレ率が上昇している。食品価格の上昇が続くロシア。バターの価格が1年で約40%あがるなど、市民の生活を圧迫している。年金生活社が特に影響を受けている。去年から年金を受け取るようになったオルガ・アルヒポワさんは、3人ぐらし。1ヶ月の年金は計約11万円。今年に入り6000円ほど上乗せされたが物価上昇に追いついていないという。別荘の家庭菜園で育てた自家製野菜が今家計の助けになっているという。インフレの影響は肉や魚も同様で安い店を捜して買いだめをするなどしているが、最近は買い控えることも増えた。さらに不動産市場でもこれまで好調だったマンション販売が価格高騰で低迷している。IT技術者のアレクセイ・ベロウスさんは、政府が始めたIT技術者向けの金利優遇制度を利用して新築マンションを購入した。しかし政府が年間7000億円を投じた優遇措置のほとんどは去年の夏までに終了。さらにロシア中央銀行は去年10月政策金利を21%に引き上げた。これを受けて住宅ローン金利は平均26%という水準に達している。マンションの大手開発会社の広報担当者は、売上が落ちているいることは疑いないなどと明かした。ロシア中央銀行は21日、金融政策を決める会合を開き政策金利を21%で据え置くことを決めた。